先日購入した『吉本隆明全集6』を拾い読みしている。 時代を感じさせる内容が多く、後世に残るような輝きを放つ文章はそれほど多くはないが、独特の訥々と語りかけるような文章が心地良い。
・『ヴェール』(ジャック・デリダ、エレーヌ・シクスー著、みすず書房) デリダの新刊だが、本が薄い割にお値段高め。出版業界の窮状も理解できなくもないが、これでは入手するのは一握りの好事家のみだ。それでいいという考え方なのだろうが・・・。 ・『現代用語の基礎知識』(自由国民社) この手の用語集を買うのは十数年ぶりだろうか。いつのまにやら『知恵蔵』(朝日新聞社)はなくなり、『イミダス』(集英社)もWeb版のみとなっていた。久々に手にすると、それなりに面白い。昔より情報量が少ないような気もするが、コンパクトになって取扱いやすくなったと思った。 ・『ミシェル・フーコー講義集成1』(ミシェル・フーコー著、筑摩書房) 前述の『ヴェール』やら『吉本隆明全集』やらで、今月は久々に本への出費が多額になった。それだけ高くても購入したいと思えるような本がたくさん出たということなので、喜ばしいことではあるが、財布の中身は寂しい限り・・・。 ・『柄谷行人インタヴューズ1977-2001、2002-2013』(講談社文芸文庫) 1冊目の「英語はできない、はありえない」が面白かった。氏は長年法政大学で英語を教えていた経験を持つが、英語の習得には文法をしっかりやるべきとの主張は全く同感である。 ・『ルネサンス 経験の条件』(岡崎乾二郎著、文春文藝ライブラリー) ・『「小さきもの」の思想』(柳田國男著、文春文藝ライブラリー) 文春文藝ライブラリーが創刊され、興味深いタイトルを見つけたので購入した。出版不況の中、今後とも後世に残したい本を出版しつづけてほしいものである。
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